こんにちは!
ブログ管理人のようママです。
突然ですが、あなたは、日本の赤ちゃんの10人1人が「食物アレルギー」だと言われていることを知ってましたか?
えええっ!?10人に1人も食物アレルギーがの赤ちゃんがいるの?
・・・はい、そうなんです。
「厚生労働科学研究班による食物アレルギーの診療の手引き2014」によると、乳児期が約10%、3歳児が約5%の有症率があるそうです。
あなたのお子さん、お孫さん、もしくは、ご友人のお子さんは大丈夫ですか?
我が子が「食物アレルギー」であることに気づかずに放置していると「症状が悪化する」、もしくは、「治療を長引かせる」原因。
場合によっては、免疫細胞が過剰に反応する「アナフィラキシーショック」を引き起こし、命に危険を及ぼすこともあります。
実は、私の息子にも食物アレルギーがあります。
生後3ヶ月頃、顔に湿疹があらわれ、強いアレルギーがあることが分かりました。
食後、顔に発疹が出始めゼェゼェと息苦しそうに泣き、顔色も悪くグッタリとしたこと、夜中に救急車を呼んだことも何度かあります。
今から思えば、アナフィラキシーの症状だったのかもしれません。
その後、除去食や負荷試験という検査を行いつつ、少しずつ食べれるものを増やしていきました。
ですので今回は、乳児期の赤ちゃんの食物アレルギーについてのお話です。
無知では子どもの命を守れません!
命に関わるアナフィラキシーショックを未然に防げる様に、今回の記事でしっかり勉强してくださいねぇ。

アレルギーは体を守るための防御システムが過剰に働く症状のこと
食物アレルギーの話に入る前に、まず、アレルギーがどういった症状なのかを説明していきますね。
アレルギーは、体内に入ってきた異物(細菌やウイルスなどのアレルゲン)に対して過敏に反応する状態で、免疫反応が関係しています。
免疫は、体内に入ってきた異物に対して抗体を作って対抗する「体を守るための防御システム」です。
抗体について
抗体とは、異物から体を守るために働くタンパク質の一種であり、異物が体内に侵入すると、それらを攻撃、排除するために体内で産生されます。
抗体は免疫という生体防御システムの一翼を担う大切なものです。
ところが時に、食べ物やほこり、花粉など体に害のないものにまで反応し、特別な抗体IgEを作り出し、過剰に反応してしまうのがアレルギーです。
IgEは体内に異物が入ってくると、かゆみや鼻水などの症状を引き起こす、ヒスタミンという原因物質を作り出してしまいます。
そして、このIgE抗体を作りやすい体質がアレルギー体質とされ、家族にアレルギーの人がいると、子供の遺伝率も上がります。
IGEは免疫グロブリンEの略語で、アレルギーに関係する抗体のことです。
簡単にいうとアレルギーを引き起こす抗体と覚えておいてください。
詳しく知りたい方は「Thermo Fisher Scientific, Inc. (NYSE:TMO)」のサイトが参考になります。
食物アレルギーは乳幼児に多い症状
アレルギーの中でも「食物アレルギー」は子どもに多い病気で、食物アレルギー患者数の80%が6歳以下の乳幼児。
1歳に満たない赤ちゃんの10~20人にひとりが発症していると言われています。
原因は消化機能が未熟なため、食物に含まれるタンパク質を小さく分解しきれないからと考えれられています。
そのため、アレルゲンとなる食物を摂取するとアレルギー症状があらわれます。
「食物アレルギー」の発見のきっかけは顔の湿疹
生後2・3ヶ月頃から、顔や頭に赤い湿疹があらわれ、2カ月以上症状が改善しない場合は「食物アレルギー」が疑われます。
この湿疹はかゆみを伴い、赤ちゃんは掻いて悪化してしまったり、夜泣きが続いてしまいます。
その他の主な症状として、発疹・じんましんなどの皮膚症状、お腹が痛くなるなどの消化器症状、ゼェゼェするなどの呼吸器症状があります。
そして、二つ以上の症状が急激に激しく起こることをアナフィラキシーといいます。
場合によっては、意識を失ったり呼吸困難に陥るなど命にかかわる症状を起こすこともあり危険。
原因となる食物は、三大アレルゲンの卵、牛乳、小麦が多く、1歳児ではこれらに加え、イクラ、さばなどの魚卵や魚類もあります。
食物アレルギーは即時型と遅延型で症状が異なる!
命に関わる症状もあるので覚えておきましょう
食物アレルギーには、原因となる食物を食べてから数分で症状がでる「即時型」と6時間から24時間後に症状がでる「遅延型」の2つのパターンがあり、それぞれで症状も異なります。
数分で症状がでる「即時型」
一番多い症状はじんましんやそれに伴うかゆみなどの皮膚症状で、原因となる食物を食べてから、数分くらいで顔から1時間以内に全身に広がります。
じんましんなどの皮膚症状の他に、腹痛・下痢などの消化器症状、鼻炎、結膜炎、気管支 喘息症状、のどの詰まる感じ(喉頭浮腫)などが通常2時間以内に見られます。
なかには4~6時間以上過ぎてから症状が出る場合もあるので注意が必要。
- 皮膚・粘膜症状
- 原因なるものを食べてから数分~数時間後に起こる、食物アレルギーで最も多い症状です。
- じんましん、かゆみなどの皮膚症状。
- 口唇のはれや口内のかゆみなどの口腔アレルギー症状。
- 結膜炎、目の充血や目のまわりが腫れるなどの目の症状。
- 呼吸器症状
- 皮膚・粘膜症状に次いで多くみられる症状です。
- 鼻炎(くしゃみ、鼻みず、鼻づまり)
- 気管支炎、気管支喘息症状(咳、咳込む、ゼーゼーする)
- 咽頭浮腫、のどの詰まる感じ、呼吸困難
- 消化器症状
-
- 腹痛、吐き気、嘔吐、下痢などの症状。
卵アレルギーでより出やすい傾向があります。
- 全身性症状(アナフィラキシー)
- さらに重症になると、短時間のうちに複数の臓器に全身性に症状が出るものをアナフィラキシーといいます。
このなかでも特に血圧が下がる、意識を失うなどの症状が出る場合をアナフィラキシーショックと呼び、命に関わる場合もあるので注意が必要です。アナフィラキシーの特徴のひとつは、短時間で症状があらわれること。症状が出るまでの時間は、アレルゲンや患者さんによって差があります。
薬物や蜂毒は直接体内に入るため、早く症状が出る傾向があります。これに対し、食べ物は胃や腸で消化され吸収されるまでに時間がかかるため、症状が出るまで薬物や蜂毒よりは時間がかかることが多いです。アナフィラキシーが原因で心停止に至った例の、心停止までの平均時間は、薬物で5分、蜂毒が15分、食物では30分といわれます(アナフィラキシーがすべて心停止に至るわけではありません)。
また、アナフィラキシーは、一度おさまった症状が再びあらわれることもあります※。「おさまったから大丈夫」と安心はせず、すぐに病院で診断を受けることが大切です。
ゆっくりと体の症状が悪化する「遅延型(非即時型)」
食べた後に6時間から24時間後、ゆっくりと体の症状が悪化していくのが遅延型(非即時型)です。
下痢、血便、体重増加不良、便秘、などの消化器症状と、アトピー性皮膚炎の悪化、むくみを伴う湿疹、などの皮膚症状が多く見られます。
食後時間がたってから症状があらわれるので、食物との関連性を証明することが難しい場合もあります。
基本的に、即効型のほうが症状が強くあらわれます。
アレルギー検査を受けるときの6つのSTEPと検査内容
生後すぐに、湿疹などの症状でアレルギーとわかる場合もありますが、離乳食が始まってから症状が出る場合もあります。
いずれにしても、何らかの症状が出てから検査をしてから総合的に診断をします。
検査と内容についてSETEP形式で紹介していきます。
- STEP1:問診
- 家族にアレルギーの人がいるかどうかの確認。
うんちや体重の増え方、気になる症状と症状の出るタイミング、何を食べると症状が出るかなど。
アレルゲンに目星をつけて検査に移ります。 - STEP2:食物日記
- 「食物日記」がアレルギーの有無や、アレルゲン食品の目星に役立ちます。
赤ちゃんの食事の時間と症状を記入すること。
母乳からに移行が気になる時は、ママが口にしたものを同じように記入します。 - STEP3:血液検査(IgE抗体値)
- 血液中に、アレルギー反応に関係するIgE抗体がどのくらいあるか調べます。
ただ、血液検査で「陽性」が出ても、食物制限が必要なのは半数以下と言われています。
血液検査の結果だけで、食物制限を開始しないようにしましょう。参考までに息子が検査を受けたときの結果表を紹介しておきます。
- STEP4:皮膚検査(スクラッチ、プリックテスト)
- 皮膚にほんの少し傷をつけ、そこに疑いのあるアレルゲンのエキスを付け、反応をみます。
赤くなると、アレルゲンの可能性があります。
赤ちゃんは皮膚が敏感なので、アレルギーでなくても反応が出ることも。参考までに息子が検査を受けたときの写真です。
- STEP5:除去テスト(食物除去)
- 問診や検査で原因食物がしぼれたら「除去テスト」を行います。
原因と思われる食物、たとえば卵なら、卵を使っている食べ物を1~2週間完全にシャットアウト。
それで症状が改善するかを見て、症状が軽くならない場合は、その食べ物はアレルゲンでないと判断します。
血液検査が出来ない時期の赤ちゃんの場合は、母乳からの移行を防ぐため、血液検査より先に母親の食物除去を行います。 - STEP6:負荷(誘発)試験
- 医師の前で原因食物を少量ずつ食べます。
どの程度の摂取で、アレルギー症状が出るかを見るテストです。
アレルギーが出ない量までは、家の食事で摂っても大丈夫。
※必ず医師の指導の下で行ってください。
血液検査などの検査費用は5,000~10,000円と調べる項目数が増えるほど値段が高くなります。
しかし、赤ちゃんの血液検査は※「子ども医療費助成制度 」で費用は全額もしくは一部が無料になります。
※保険診療でかかった医療費の自己負担額の全額もしくは一部を区が助成する制度。
詳しくは「妊娠して慌てないために覚えておこう!出産助成金の全知識」の「STEP5 医療費を負担してくれる乳幼児医療費助成制度」の項目で説明しているので参考にしてください。
食物アレルギー対策マニュアル
食物アレルギーの対策は、「薬で症状を緩和すること」、「日常生活の中で予防対策をすること」、「食物除去法で予防と緩和をすること」の3点が大事になります。
アレルギー症状には、抗ヒスタミン薬、ステロイド軟膏、気管支拡張薬などの薬で症状を緩和していきます。
また、症状を予防するために、普段から飲み薬や吸入薬を常備しておくのも大切。
しかし、薬だけではアレルギーの根本的に治療になりません。
アレルゲンを突きとめ、症状を防ぐことことが重要。
ですので、食物アレルギーの予防と治療は、食物除去法が基本的な対策になります。
食物アレルギーの予防と治療の基本は食物除去!
もし、子どもが食物アレルギーと診断されたら・・・。
食物アレルギーの症状は、原因食物を食べない「食物除去」で改善します。
母乳育児中に食物アレルギーの診断が出た場合は、ママが食物除去を行います。
食物除去は離乳食に使う加工食品や調味料のパッケージに気を付けるようになり、大変。
便利なアレルゲン不使用のベビーフードも多数出ているので、活用すると良いでしょう。
初めての食品や、アレルゲン食品に挑戦する時は平日の昼間、病院のやっている時間帯に医師の指示に従って食べましょう。
食物除去の注意点は、子供に疎外感を与えないこと!
また、子どもの除去食は、疎外感を与えないようにするのことがポイントになります。
除去食は、他の人は食べているのに自分は食べられない状態です。
自分だけ違うと、子供は疎外感を感じたり、みんなと同じものを食べたがります。
卵の代わりにかぼちゃを使って、色味をそろえたり、牛乳の代わりに豆乳を使うなど、代わりの食材を取り入れつつ、見た目を工夫して疎外感を与えないようにしましょう。
そして、食物除去をしながらも、主食、主菜、副菜を組み合わせ、バランスのよい食事から十分な栄養素をとることを心がけましょう。
食物除去は食物アレルギーに気づいたらすぐに始めるのベスト!
食物除去を始める時期が早いほど症状は軽くなると言われています。
成長するにつれ、消化吸収機能が発達し、3歳ぐらいから原因食物を食べられるようになる可能性も高くなります。
しかし、中には大人になっても症状が続くものもあり、幼児期後半以降(成人も含む)に発症した食物アレルギーは治りにくいとされています。
食物除去は、自己判断で行うと栄養障害を起こす危険があります。
必ず、医者の診断のもとに必要最小限の食物だけを除去することが重要です。
日常生活の中でできる予防と対策
- 初めての離乳食メニューは平日の昼間に
-
離乳食を与えるときは、次の5つのことを意識するのが大事!
- 赤ちゃんの体調のいいときに与える
- 月齢にあった新鮮な食材を選ぶ
- 十分に加熱して消化しやすくする
- 少量(1さじずつ)から与える
- すぐ病院に行ける時間帯(平日の昼間)に食べさせる
- 肌を保湿し、健康に保つ
- 食物アレルギーの発症は乳幼児の消化機能が未熟という理由以外に、乳児期のアトピー性皮膚炎が食物アレルギーリスクを高めることが、最近の研究で分かっています。
そのため、新生児のときからしっかり保湿をして肌のバリア機能を高め、湿疹が起こらないようにすると効果があると言われています。 - 食物アレルギーの情報を共有する
- 子どもの通っている保育園・幼稚園・学校にアレルゲンと症状を知らせる。
給食やおやつなど、先生に対処をお願いしておきましょう。また、子供同士のおやつ交換でアレルギーが出てしまうと大変です。
友達や友達のママにも話しておくこと。
親同士もそれぞれの子供のアレルギーを確認しておくことが重要です。 - 子ども本人が自分のアレルギーについて理解する
- 登園・登校が始まる前に、自分の食物アレルギーについて理解させ、説明できるようにしておく。
常備薬がある場合は、症状が出た時に飲むよう教えておく。 - 1歳までに動物園に行く
- 生後1歳までに、動物園や牧場に連れて行って自然に免疫をつけると良いと言われています。
生後1年までは、働きの決まっていない免疫細胞が沢山あります。
牧場や動物園の家畜の糞にはエンドトキシンという菌が空気中に混じっていて、それを吸い込むことにより、免疫細胞が活性化し、アレルギーを引き起こすIGEの比率が低くなるいとわれています。
妊娠中の母子の特定食品の摂取制限は赤ちゃんのアレルギー予防にならない!
妊娠中の食事が赤ちゃんのアレルギー予防につながることはありません!
赤ちゃんのアレルギーを予防するために妊娠中に卵や牛乳などを避けるママがいますが、特定の食品の摂取制限には意味がありません。
また、妊娠中に乳酸菌を積極的に摂ることで、アトピーなどのアレルギー症状抑えることが出来るという説もありましたが、今は根拠がないとされています。
妊娠中は特別何かを除去したり、摂取する事はアレルギー予防になりません。
バランスのとれた食事を行って、母子の健康に気をつけましょう。
最後に。食物アレルギーと上手に付き合っていくことが大切
いかがでしたか。
今回の記事で、食物アレルギーに関する正しい知識を身に着けていれば、アナフィラキシーショックを引き起こす危険から赤ちゃんを守ることができることがわかって頂けたと思います。
食物アレルギーは、アレルギー検査で「陽性」が出ても、食物制限が必要なのは半数以下と言われています。
食べてみて、何ともなければその食品は食べても大丈夫。
陽性が出たからと言って、すべての食べ物を除去してしまうと、本当は食べられるものも食べられなくなってしまいます。
医師と離乳食の進め方を相談しながら、食物アレルギーと上手に付き合っていくことが大切です。